身体を動かすためにはまず筋肉を動かさなければなりません。 筋肉が動きにくくなると身体の不調として、 動かすと痛いという自覚症状が現れます。 本当は痛みが出る前、身体が硬かったり、力が入りにくい時に 筋肉を緩めてあげると良い状態を保てるのです。

目次

1. 筋肉と筋膜の動きが悪くなる理由

筋肉

筋肉が硬くなると動かすときに痛みを伴いやすくなります。 その硬くなる理由として多いのは、使いすぎと使わなすぎです。  筋肉は、力を入れると縮んで太くなります。 そして、力を入れた筋肉に対して、 反対の働きをする筋肉は引き伸ばされて力が入らない状態になります。 使いすぎていると、 力を入れている筋肉が硬く太いままになってしまいます。 これは同じ動きを繰り返していると引き起こされます。 使わなすぎていると、 力を入れようとしても筋肉が太くなれずに痛みが引きおきます。 筋肉をイメージすると 使いすぎは、筋肉が太く固まっている感じです。 そして、使わなすぎは、筋肉が太くなれず細く干からびている感じ。 座っていて立ち上がる時に足が痛くてすぐに動けない、 何か同じ姿勢で作業していて腰を伸ばそうとすると痛い、 スポーツをしていてちょっと頑張ると痛みが出る、 いつもと違うスポーツをしたら痛みがでた、 などが出てきたら、 筋肉が硬く動きが悪くなっていると疑ってください。

筋膜

最近、ようやく一般的になってきた筋膜も同じように硬くなります。 この筋膜は、筋肉の外側を包む薄い膜です。 解剖学的には漿膜性の膜で、 潤いがあり、摩擦に強くできています。 筋肉の外側を包んでいる膜は、筋肉の動きを滑らかにして 他の筋肉や内臓などとくっつかないように保護してくれています。 筋肉の動きが悪くなってくると、 この外側を包む筋膜も動きが悪くなり、 筋肉を動かしにくくさせてしまいます。 特に日本人は筋膜が硬いと言われています。 日本人なら筋肉より筋膜を緩めることを意識することをお勧めします。

癒着

筋肉は全身にあり、その筋肉を包む筋膜も全身にあります。 特に筋膜は何種類かあり、 一番浅いところにある筋膜は皮膚の下にあります。 筋肉が硬くなって動きが悪くなると、 外側にある筋膜も一緒に動かなくなり、 周囲の組織とくっつき始めます。 そうして引き起こされるのが癒着です。 良く聞くのが、 慢性的な症状があって手術をしたら 癒着がひどくてそれを剥がすのに何時間もかかったということ。 これは炎症が原因だったり、筋肉の動かなすぎから引き起こります。 逆に手術や怪我などでも癒着は作られます。 メスや内視鏡、注射はもちろん、 怪我で傷口ができたときも 傷口を塞ぐために癒着が起こります。 癒着が起きることで傷口の皮膚がふさがり、出血も止まります。 だけど、その時に筋膜や筋肉の癒着も一緒に引き起こされます。 そしてこの癒着が起こると、 筋膜も筋肉も動きが制限されて痛みや引き連れの原因になります。

筋肉と筋膜の動きを良くするには

一番手軽にできるのは、ストレッチです。 ストレッチとは筋肉を伸ばすことです。 治療室に来室される方に聞くと 大抵の方は何となくストレッチをしています。 このように何となくやっていると 筋肉が正しくストレッチされず痛みの原因となるのです。 では、どうやってストレッチするのか?というと、 どこの筋肉を伸ばしたいのかを意識することが大切です。 硬くなっている筋肉は動きにくくなっているので 何となくやってしまうと動かなのです。 ぜひ、使った筋肉が「伸びてる!」と感じられるように ストレッチをしてみてください。 ストレッチが難しい場合は、 使った動きと逆の動きをしてくださいね。 そして次に大切なのは、 正しい姿勢で身体を動かすということです。 筋肉を正しく使うためには 正しい姿勢から動かすことがとても重要になります。

筋肉や筋膜が硬い人って?

・痛みやコリがある ・朝起きたときや、同じ姿勢をしてた後に動いた時に痛みがでる ・スポーツをしている ・過去にスポーツをしていた(部活も) ・交通事故にあったことがある(軽いムチウチも) ・良く骨折や打撲などのケガをする ・姿勢が悪い ・座り仕事をしている ・内臓の不調がある(胃痛や便秘、生理痛、不妊など) ・強揉みのマッサージや整体を受けていた ・症状(痛みなど)のあるところを揉んだり鍼をしていた ・リラックスできない(力を抜けない) ・「力を抜いて!」と言われる ・筋肉がいつも硬い ・すぐ疲れる ・冷えやすく寒さに弱い(冷え性) ・過去に腰痛や膝痛など痛みがあった ・身体を触られるとくすぐったい・痛い ・側弯や骨盤のズレがある ・産後ケアをしていない ・妊娠中にお腹が張る ・甘いものが好き(炭水化物を含む) などなど、多数の例をあげましたが 何かしら不調があると必ず筋肉や筋膜が硬くなっています。 要は、筋肉や筋膜が柔らかいと不調がおきないのです。 だからこそ勝田式骨格調整ではしっかり筋肉と筋膜を緩めます。

筋肉や筋膜が柔らかい人って?

・横に寝た時に、硬い筋肉が無い ・横に寝た時に、呼吸が深く太ももの筋肉も呼吸に合わせて動く ・軽い刺激で全身がゆるむ ・筋肉が力を抜いているときにはマシュマロみたいに柔らかい など 全身調整やボディートークの後もこのような状態になっているハズです!

症例

五十肩 50歳代女性・パート

左肩の痛みで病院で五十肩と診断され改善しないため来室。 勝田式骨格調整で全身の筋肉を緩めたところ 硬いのは肩周りのみ。 典型的な五十肩で、筋肉を緩めたら痛みも無くなり その後の痛みも無く、1回で終了。 通常の五十肩の場合、全身の筋肉も硬くなるのですが、 この方の場合は肩周囲のみ硬く、 他の筋肉はとっても柔らかく良い状態でした。 このように問題となる部位以外の筋肉が柔らかい人は 長年の臨床経験の中で初めてのことでした。 その方に筋肉が柔らかい理由を聞いたところ ご主人が昔から筋肉が硬くギックリ腰を繰り返していて その時に筋肉が硬くなると不調が起きることを学んだので 自分は常にリラックスして 筋肉を柔らかくするように気をつけていただけだそうです。 そのため、五十肩以外の症状が無く、 1回で改善してくれました。 その後は五十肩も再発せず お友達を紹介してくださっています。 良く筋肉が硬いと運動不足だからと言われますが、 筋肉を硬くさせないと意識することが重要なのです。